※若干の手直しがあります



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「真に、静かですね」

「うん」

本当に静かだ。
これが自分達の最期と思うと、余計に静かに感じちゃって。

「貴音、痛まないか?」

貴音の目には、赤々しく染まった包帯がぐるぐると巻かれている。
けどその包帯ももう役目を果たしてなくて、貴音の頬には赤い雫の跡が何本も通っていた。

「ええ、大丈夫ですよ。それよりも、響の方は大丈夫なのですか?」


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貴音は優しいな。
嘘をついてまで自分の心配をしてくれるんだ。

「へーきへーき。ちょっと擦り傷があるくらいだぞ」

「本当ですか?いくら見えないからといって、嘘をつくのは無しですよ?」

「本当。自分は何ともないから。顔、冷たいよ?」



ごめん、貴音。
嘘ついちゃった。



濡れたガーゼで貴音の顔についた血を落とす。
その冷たさに驚いたのか、貴音の身体が少し強張るのが分かった。


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「……えいっ」

首筋にガーゼを当ててみると貴音は「ひゃあっ」と声を上げた。
そんな貴音が可愛くて、ついもう一度。

「や、やめるのです!! 響、響っ!!」

「あははは、ごめんごめん」

昨日までは、これが日常だったのに。

どうして、こうなっちゃったんだろう。

「もう。仕方無いですね、響は。」

「ひゃあ、なんて言うから」

やっぱり自分達、割れた薬ビンや罅だらけの部屋には似合わない。
くすんだ白い壁だって、何だか滑稽に見えてきちゃうし。

こんな状況でも、最後まで自分達は自分達なんだ。
そのおかげで、自分達はここまで誰も傷つける事無く来れたんだから。


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「響」

少しだけ向きのずれた貴音の手招き。
やっぱり少しだけ胸が痛んで、その手を取る両手が震えた。

「やはりわたくしのことを置いて、ここから去りなさい」

貴音ははっきりと、そう言った。

「もう時間がありません。響」



貴音。
自分にはちゃんと分かるんだ。



今落ちた赤い雫は、血じゃなくて涙だって事。


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「行かない。自分はさいごまで一緒。」

「いけません。響」

「貴音。実は自分、足動かないんだ。あぁ、痛い痛い」

「響!!」

やっぱり頑固だなあ。
その包帯の下には、あの鋭い眼差しがきっとあるんだよね。
自分、ちょっと怖いぞ。






でもね、貴音。






「貴音」

そんなに震えながら言われても、全然説得力無いんだよね。






「大丈夫。自分と一緒なら、怖くないからな」


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ゆっくりと貴音を抱きしめる。
貴音の身体は、自分よりも小さくて、弱々しくて。

優しい匂いが鼻をくすぐる。
こんなに汚れているのに、いつもの、貴音の匂い。

「ひ、びき」

「なんくるないさー。貴音」

貴音もまた、ゆっくりと、そして身体を震わせながら、抱きしめてきた。

「響、響」

「いるぞ、自分は貴音の腕の中だぞ」

「響。響、響。」

折角拭いた貴音の顔は、また真っ赤で。
もう自分の赤い手で触っちゃっても、誰もわかんないよね。


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「よしよし、貴音は泣き虫さんだなぁ」

自分、知ってた。
貴音は結構泣き虫さんって事。
怖がりで、誰よりも寂しがり屋で。

なのに、皆の前では強くいようとしちゃうんだもんな。
お姉さんだからっていう、責任感もあったのかな。

「今だけは自分の方がねぇねさー」

自分もなかなか隅に置けないじゃないか。
なんたって自分、完璧だからな。


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ぴっ。

あーあ、鳴っちゃった。
いよいよだな。

「貴音、顔をあげて」



ぴっ。

「ほら、もうすぐだぞ」

本当はもう少し、貴音とこうしていたかったな。
貴音をもっと、感じていたかったさー。



ぴっ。



「響も、怖いのですね」


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あれ?
どうして?

ぴっ。

いつの間にか自分も、震えてて。

「こんなはずじゃなかったんだけど」



ぴっ。

「ごめん、貴音。やっぱり、怖いんだ」

「怖い、怖いよ。嫌だ、終わっちゃう。貴音、終わっちゃう」



ぴっ。

いつの間にか、自分の方が貴音に包まれちゃってる。

「わたくしとて知っていますから。響が泣き虫さんだという事を」


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ぴっ。ぴっ。

あれ、ばれてたのか?
自分、頑張って隠してたのになぁ。

「ああ、貴音。どうしよう。貴音」



ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「……ふふっ」

「っ!?」



ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「く、くすぐったい!! 貴音!!」

「ここですか? それともここですか?」


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ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「やめてぇ!! 脇は弱いんだって!!」

「先程のお返しですよ? ちなみに脇は誰だって弱いと思います」



ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「あはははは、せ、せっかく、良い雰囲気だったのに、ひいぃ」

「響には笑顔が一番です、良い顔ですよ」



ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「見えないくせに!! 見えないくせにぃ!! それなら、あはは、こっちだって!!」

「な、なにを!! くくくっ、や、やめ」



ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「やめなさい!! ふふふふ、やめ、ふふっ!!」

「あはははは、く、苦しい、助けてぇ!!」


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ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「はぁ、はぁ、た、貴音ぇ」

「な、なんでしょう、響」


















「ありがとう、貴音」

「こちらこそ、感謝いたしますよ、響」


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【我那覇響 死亡】

【四条貴音 死亡】



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